Intel Mac

ここ数日Macユーザー達は落ち着かない毎日を送っているようだ
それは、アメリカ時間で9日より開催されているMac World Expoで、新しいノート型パソコンが発表されるのではないかと言う憶測があるからである。さらにこのパソコン、今までとは全く違いCPUにIntel製のチップを導入することになっているのである。
この話をいつかエントリーしなければと思っていたけど、プレスリリースからついに半年が経ってしまった。
次のエントリーで関連する別件を書きたいので、それの背景として先にMacのCPUにまつわる話を書いておこう。
Mac販売元のAppleは、数年前からIBM製のCPUを搭載したパソコンを製造してきた。
その前は、モトローラ製だった。
IBM製のCPUは、一般にはあまり浸透した話ではないのかもしれないけれど、実はとっても身近な存在。例えば、Playstation2、Xbox360、NintendoDSといった今をときめくゲーム機器のCPUは全てIBM製なのである。一般にパソコンにはインテルはいってるで有名なIntel製のCPUが搭載されていることが多くPentium、Celeronと呼ばれるものもIntel製CPUの製品の一つ。
モトローラからIBMに開発の依頼先を切り替えてからIBMはApple向けに全部で3つのCPUを供給してきた。Power G3、Power G4、Power G5である。
それぞれ大きな特徴があるのだがG3、G4に関してはそれぞれの差をあまり知らないので書くのは控えるが、G5は最も新しく現在の主役である。G5プロセッサは内部の処理方法が64ビットを採用しており、Windowsに代表される32ビット処理のパソコンと比較すると大幅に高速処理が実現されている。単純にはいえないが、大まかに言えば一度に2倍の処理ができると言うことだ。
しかし、このG5チップには一つ大きな欠点があり、処理能力が早いかわりに大量の電源が必要で、さらに廃熱量がかなりある。デスクトップ型のパソコンではもともと大型のファンが搭載されているし、電源に関しても全く問題にはならないけれども、ノート型のパソコンでは、電源も廃熱も大きな問題点となる。
うわさに拠れば、現行のG4プロセッサを搭載するノートパソコンにG5を搭載すると、起動すら出来ないそうだ。電源食いすぎで。さらに、デスクトップ型と違いノート型はCPUとハードディスクやマザーボードなどパソコンの基幹となる部品が非常に密集していて、G5の駆動熱でハードディスクやCPUそのものも暴走してしまう危険性がある。つまり、G5を搭載したノートパソコンの製品化は不可能なんだそうだ。
そこで、Appleは昨年の6月ごろにIntel製CPUの採用を発表したのだ。
Intelのチップは非常にさまざまな種類があり、電源は大量に消費しても、大量の命令に高速で処理できるものから、モバイル環境向けに省電力で駆動できるもの、ワークステーション用に動画や音声の処理を得意とするものなど多岐に亘る。
またさらに、Appleは現在のMacOSXを発表した当初から、Intel製のCPUで駆動するMacOSXを秘密裏に構築してきたのだと言う。つまり、CPUはパソコンの中枢部分であり、命令を処理し、ハードディスクや通信などさまざまな機器の連携をも受け持つところで、IBM製とIntel製では命令の仕方が若干異なるので、IBM用にチューニングされたものではIntelには用いることが出来ないのだ。
しかし、すこしプログラムを書き換えれば用いることが出来るので、IBM向けにつくられたOSをIntelでも動かせるように前準備を着々と進めてきたと言うのだ。
2006-01-10-intellogo

現在は具体的にIntelのどのプロセッサを採用するのかは不明だが、先日から開催されているCES(国際家電ショー)にて新しいチップが発表されたため、これが採用されるのではと憶測を呼んでいる。また、Intelはこの発表に合わせてロゴまで変えてきている。
実際どうなるかは分からないが、IBMはあるインタビューで、仮称G6のような次世代CPUを供給する用意があるとしている。昨年の6月のIntel製チップ採用の発表時にはデスクトップ型のPCを実際にIntel製のCPUで駆動させて見せてはいたが、今回の移行の最大の目的はG5レベルの性能をノートパソコンで実現させるためだ。Appleは将来の情報に関しては公表まで一切外に情報を漏らさないことで有名で、逆に公表前の情報をリークした人に対して訴訟を起こすほど敏感だ。よって、全く先行き不透明なのだが、昨年6月の発表では今年6月までにIntel製チップを搭載したパソコンの発売を予告しているため、これらを勘案すると今回のMacWorldExpoでIntel製チップを搭載したノートパソコンが発表されるとみんなが考えているのである。
はてさて、日本時間の11日午前2時から始まるAppleCEOの基調講演では、何が発表されるのでしょうかね。

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