500万リットル
あまり大きく報道されていないけれども、商船三井が所有する原油タンカー”BRIGHT ARTEMIS”(ブライト アルテミス)が、8月14日にスリランカ・スマトラ島間の公海上で遭難船の救助作業中に接触事故を起こし、船体の一部に穴が開き積荷の原油が流れ出すという事故がありました。
商船三井の発表によると、4,500トンの原油が流出したそうだ。
翻訳者の便利帳「石油およびエネルギーに関する諸換算表」(下記参考)を参考にすると、比重0.9の原油をメートルトン単位で流出量をリットル換算すると、
4,500トン=4,500,000キログラム=31,455バレル=5,001,345リットル
ということになる。つまり、4,500トンというと原油は重そうだからぴんとこないけれども、500万リットル(5,000キロリットル)といえばうひゃーーーーっおもいません?(計算間違ってないよね)
標準的な25メートルプールに入っている水(比重が1の場合)は390トンですから39万リットル。そう考えると、25メートルプール約13個分もの原油が流れ出たことになるんですね。
オマーンとサウジアラビアで原油を積載し、日本へ向けて航行中に付近で遭難船があり、その救助中、遭難船が波にあおられてタンカーに接触、右舷の船尾を損傷し、タンク二つ分にわたる穴が開いたそうだ。現在は、可能な限りそのタンク内の原油を別のタンクに移行し、原油の流出は止まった状態と言うが、海水が出たり入ったりはするんじゃないのか?と素人は素朴な疑問を感じます。しかも、その作業後現在は日本に向けて航行中というじゃないですか。ん?素人が口出しすることじゃないんだろうけど、10年近く前に新潟県沖でロシア船籍のタンカー「ナホトカ号」が座礁沈没したときのことを鮮明に覚えているから、いくら陸地に原油が漂着することがないとはいったって、海への影響は甚大なものがあると思います。
なんてったって、500万リットルですよ。報道によると日本の船会社が起こした原油流出事故としては過去最大のものだそうだ。おそらくタンク2つも損傷を受けたからでしょう。
(-_-;)(@_@)(>_<)なんとかならないの
翻訳者の便利帳「石油およびエネルギーに関する諸換算表」
http://www001.upp.so-net.ne.jp/dewaruss/oilenergyconversion.htm
1バレル=159リットル
1キロリットル=6.29バレル
1バレルの石油重量:比重0.9の場合143kg、比重0.85の場合135kg
1000キログラム(メートルトン)=比重0.9の場合6.99バレル、比重0.85の場合は7.4バレル
1重量トン(ロングトン=1016kg)の場合、比重0.9の原油は7.1バレル、比重0.85の場合は7.5バレル
原油の比重は、
特軽質油:0.8017未満、軽質原油:0.8107?0.829
中質原油:0.830?0.903、重質原油:0.904?0.965
特重質原油:0.965以上
タンカー事故って結構多くて、ちゃんと回収出来ればちゃんと原油として使えるんだけど、どう見ても全部回収は無理。結局海洋汚染もひどいことになる。陸に流れ着く前にオイルフェンスで全て回収することが出来れば被害は最小限なんだろうけど。いずれにしても細かい油かすなんかは海を汚す。あとは海の自浄作用にゆだねるしかない。
しかしこんな時期に。海洋汚染の心配が一番だけど、別の意味でもったいないね。それでなくても戦争で石油製品値上がりしてるっていうのに。ま、そんなのに頼る生活している日本がいかんのか。
それにだいいち東京湾の入り口は狭くて、世界的にも危険航行区域なんだよね。何か日本はどうすればいいんだろうか。
こんなのがしょっちゅうあるとはしらなかった
東京湾の入口には砲台跡があってさらに事故がおこりやすい
でも東京湾だって珊瑚の生い茂るすんごい綺麗なところがあるから間違っても汚さないでほしい
その後の情報によると、揮発性の高い原油を積載していたために、現場海域はほとんど油膜が見られないとのことでした。
海の自浄作用ってのはどの程度有効なんだろうか