意外な東芝の評価

日経広告手帳という雑誌があります。

日本経済新聞社が出している広告コラム誌のような雑誌で、月刊誌。年3千円くらいと安いしいろんなコラムや広告分析、情報が掲載されていて薄いわりには読み応えがあるので購読している。

その中に毎回企業ランキングが掲載されているんだけれども、今回のテーマは「技術力がある」企業 上位50社。

2006年版「日経企業イメージ調査」からのランキング情報で、ビジネスマンと一般個人を対象として行われた。まずビジネスマンの方は、

1.トヨタ自動車

2.ホンダ

3.ソニー

4.メルセデス・ベンツ

5.マイクロソフト

6.石川島播磨工業

...と続くんだけれども、一方の一般個人を対象にした調査では、

1.トヨタ自動車

2.東芝

3.キャノン

4.シャープ

5.日産自動車

6.ホンダ

....となるそうだ。

ビジネスマンというのが男性に限られたサンプルなので、どうも自動車関連に偏っているけれども、僕が「へー」とおもったのが東芝の位置。個人では2位に入るもののビジネスマンでは22位と落としている。

企業の評価というのはなかなかひとによって個人的見解が入るから一般的な評価というのがわかりにくいけれども、投資家から見た企業価値として株価を見てみると、ほかの電機メーカーとほとんど大差を感じない。むしろ、低いのではないかと思うくらい。ビジネスマンより一般人に評価が高いのは東芝が家電分野で強いことを表す数字なのかもしれないけれども、ともかく一般の人は東芝を結構評価しているんだということがわかった個人的にはうれしかった。

別に、東芝の社員でも関係者でもないんだけれども、東芝の研究開発の仕方というのはずいぶん前から評価している。僕の中で東芝の代表的な技術だと思うのは「小型化」技術。本当の発端がどこにあるのかは知らないんだけれども、世の中がモバイルという言葉がはやる前からパソコンの徹底的な小型に取り組み、1999年には世界最薄・世界最軽量の1.2キロのB5型パソコンを世に出している。僕の手元にまだあって、現役として使ってはいないけれども、まだまだ十分使うことはできる。一応WindowsXPだし。今や超小型ハードディスクといったら東芝は代名詞のようなものだし、携帯電話分野でも、二つのキャリアに年10機種近くも投入している。また、最近僕が注目している燃料電池の分野でもいち早く超小型化に成功し、切手大の電池で携帯音楽プレーヤーを10時間動かすことができるようになった。

僕も最近まで気に入って東芝製の携帯を使っていた。だが、東芝のせいではなくおそらくはボーダフォンのせいで、使いずらくなり、今ではシャープ派だが。

東芝が、評価できるもう一つの点は技術と消費者とが遠いようで近いことだと思う。

ハードディスクや燃料電池の小型化の研究は日常生活には全く無関係に見えるけれども、それが必要となったときには誰もが持つようになる。

そんな、ちょっと未来を思わせる研究開発をしている点が評価できるのだと思う。

僕は最近はシャープも評価するようになった。

ただ、ここの場合は技術力というよりは物作りに対する熱意というところだけれども。

意外な東芝の評価” に対して2件のコメントがあります。

  1. hikki より:

    なるほどねー。ユウイチロウのブログは面白いわ、いつも。
    東芝の家電は確かに定評あるよね。
    私の弟が東芝だけど、給料とかボーナスかなりいいもの。
    ま、彼も原発に関しては自己批判的ではあるみたい。
    今まで彼が売っていた半導体も当然原発で使われているしね。
    今は本社勤務してるよ。

  2. yuichiro ikeda より:

    それはどうもありがとうございます。
    最近退職したけれども、知り合いにも東芝の人がいました。あまり裏の話は聞けないけれども、やっぱりそれだけの「新しさ」を提供するために、とにかくめまぐるしく現場は変化しているらしい。特にリプレースの早い携帯は2世代先のものを作っているのだとか。
    プラント受注のイメージよりなるべく消費者に近いメーカーであった方が、いいということなんでしょうか。

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