【書籍】イタリア田舎暮らし
あまりこの手のエッセイ本は、読まないのだけれども、有元さんは料理研究家として気になっている一人と言うこともあるし、日本人の料理人がみたイタリアの暮らしというものがどんなものか興味があって読んでみた。
そもそも僕は料理研究家という言葉が好きではない。書店に並べられている料理研究家の料理本は子供だましのような本がとても多いと思っているから。僕は誰がなんと言おうと料理は人間が本源から来るさまざまな面の健康を維持するため行うものだから、台所の前に立っていることだかが料理じゃないとおもっている。食べ手の状態を気遣ってどんな料理を作ることが健康を維持することなのかを考えることとからはじまるもの。それは食べ手の生活環境から生活スタイル、興味、体調、思想から感情まで様々に絡み合うものだから。
よくいろんな人が言っているけれども、自然に根付いた生活が人間本来の流れや様々なストレスから解放されていいと。確かにそれは間違いないと僕も思う。でも、ここまで生活の隅々が現代化されている中でどこまでやることが自然に根付くことかを見つけるのは至難の業。こうなったら人の生活から学ぶしかないと思う。もちろん同じ日本人から学ぶこともたくさんあるけれども、ちょっと違う国の状況を見ると日本では田舎でやらなくなったようなことを今でも日々の営みの中に組み込んでいる人がいることを思うと、なかなか勉強になる。
何がおかしくて、何に無駄な力を注いでいるのか。
本の冒頭に出てくる、「新しいものと古いものがマッチする家」というタイトル。
こういうのが何というか僕の理想なのかもしれないです。