燃料電池
新しもの好きの僕が前から注目しているものが1つあります。
それは、燃料電池。
といっても、自動車とか家庭用とかそんなでかいもんじゃなくて、もっと身近に使える小型の燃料電池。今一般に使われている携帯電源は、電池が主流。使い捨てと何度でも充放電ができる充電式とがあります。
10年ほど前までは使い捨ての電池には電池効率をよくするために、水銀が使われていましたが、廃棄後の電池の保管で漏れだして土壌汚染を引き起こすことがわかり、現在では一切使われていません。
充電式電池は、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池などいろいろ種類がありますが、一般で販売されている充電式電池でもっとも販売数が多いのは今はニッケル水素電池、またみなさんのもっとも身近な電池はリチウムイオン電池でしょうか。前者は、高電圧を長時間維持できる特徴があり、ポータブルオーディオや単三型交換電池などで普及しています。後者は、ノートパソコンのバッテリーや携帯電話の電池にもっともよく使われ、繰り返しの充電に強い特徴があります。
ニカド電池は安かで初期には普及しましたが、電圧が維持できないなどの欠点が有井まではほとんど使われていません。リチウムポリマー電池は繰り返し充電にも強く高電圧長時間ですが、素材が非常に高価なため、あまり広く普及はしていません。
使い捨てのアルカリ電池などと比べたら、充電式電池は環境のためにいいものだとは思いますが、残念ながら充電式電池にも寿命があり、よくても1000回程度の充放電で性能が急激に落ちて、使えなくなってしまいます。やはり、ゴミになってしまうのです。
そこで、注目している燃料電池。中の構造は少し難しいですが、電解質膜を2つの電極ではさむ構造になっていて、エタノールと酸素を利用して発電します。燃料極側でメタノールと水から作られた水素イオンが電解質膜を通過し、空気極で酸素と反応します。この時、両電極間に電流が流れる仕組みです。酸素は現実には空気中に存在しているので、供給する必要はありませんから、エタノールを注いでやるだけで電力を得ることができるようになるのです。残念なことに、酸素とエタノールを消費して電力を得ると、水と二酸化炭素を排出してしまうのです。酸素を使って二酸化炭素を排出では結局地球のためにはなっていないのが残念。いまのところはごく微量ですけれどね。
この技術でもっとも進んでいるのが東芝。2004年6月に世界最小の小型燃料電池を試作し発表しました。世界最小としてギネス登録されています。発生する電力は100ミリワットで、小型オーディオプレーヤーをおよそ20時間駆動させることができます。
当時、発表資料では2005年度中の製品化を目指していると書いてありましたが、現在までのところ製品化はされていません。気になっていろいろ同行を調べてみたところ、業界全体で小型燃料電池の発売時期が遅れているようです。何か問題があるのかわからないのですが、一様に2007年頃という話が多いようです。東芝はかなり早い時期から燃料電池システムの開発には力を入れてきて、自社製品の小型薄型パソコンに搭載して駆動させるなどのデモは行っているのですが、製品化が遅れているのはちょっと残念です。
でも確実に市場は注目していて、最近シチズンは燃料電池使用に伴い発生する水素が漏れていることを検知する専用センサーを開発するなど確実に動いているようです。
いくらくらいになるのかわからないですが、是非使ってみたいですね。
*世界最小の燃料電池システムの開発について(東芝プレスリリース)
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2004_06/pr_j2401.htm
http://web.archive.org/web/20130322173412/http://www3.toshiba.co.jp:80/ddc/dmfc/index_j.htm
*接触燃焼式・水素ガスセンサー開発について(シチズン)