日本版会計ビッグバン

アメリカでは本当の意味での会計ビッグバンはエンロン事件をきっかけに起こったといわれている。日本では2000年ごろからさかんに日本版会計ビッグバンが言われるようになったものの、本当の意味ではあまり進展したとは言えなかったと感じている。
アメリカはエンロン事件のあと、サーベンス・オックスリー法という法律を制定し、アメリカの企業だけではなく、アメリカで上場する企業をはじめ、取引を行う企業にもアメリカ流の財務報告を求めるようになった。

これに対して日本は相当の反発をしたが、結局のところ反発している暇がなくなったのは日本の側だった。

西武鉄道の有価証券報告書虚偽記載事件、カネボウの粉飾決算、ライブドアの粉飾決算と、日本版エンロン事件とほとんど何も変わらない事件が次々と発覚している。日本の企業が、本当の意味での「株主とは何か」、「適時、適正、的確、適量な情報開示とはなにか」本格的に考えなければならなくなっている。もっとも、今から考えているようではときすでに遅いが。

いま、日本版会計ビッグバンは隆盛期。法制定機関は証券取引法の大改正、会社法の制定、証券取引所規則の厳格化、粉飾決算による罪の厳格化など、各方面でいかに投資家を守り、正しい税金を納めさせ、市場経済を円滑に進めるかで躍起になっているところ。でもどんなに法律が厳しくなったとて、なくなるわけではない。結局は企業にすべてはかかっている。いつか自分の首を絞めることになるかもしれないことをあらかじめリスクヘッジするのか、今は甘い蜜を吸うのか。この差でしかないのではないのかと思う。

人を殺しちゃいけないことに理由なんかない!だめなものはだめ。であることと、粉飾決算はだめ。理由なんかない。と何か違うことがあるのでしょうか?

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