新法案が待ち望まれることもある?
みなさんは平成電電という会社を知っていますか?
通信ベンチャーとして数年前に発足し、NTT東西交換機を介さない通信によって大幅に通話料を引き下げるサービスを提供してきた会社です。CMで一時期「CHOKKA」というサービスを広告してました。
この会社の大株主は、現社長を筆頭にし、NECやIT系企業などで構成されていて、上場はしていないため一般投資家はいない はずでした。
この会社が大幅な値下げを実現するしくみの裏には100万回線という契約数が必要でした。残念ながら15万回線契約しか達成することができず、今月3日に会社更生法の適用を申請し、破綻しました。前述の通り、本来なら一般投資家がいないはずなので、銀行や株主となっている会社が痛い目を見るだけですむのですが、去年からこの会社は一般投資家向けに金融商品を発行していました。(なんと破綻直前まで)
平成電電は通信設備を2社からリースで借り受けていましたが、名前こそにているものの平成電電とは資本関係がない、まったくの別会社から借り受けていました。この2社は特別目的会社として「平成電電匿名組合」を運営し、年率10%の高利回りをうたった金融商品を売出し、これまでに投資家1万9000人から490億円もの巨額資金を調達していたのです。
このブログでは、この件について直接言及したいわけではないので、報道の内容は以下のサイトや新聞でも報道されていますので、ご参照を。
ラーメンファンドやゲームファンド...いろんな金融商品が巷にあふれています。
平成電電の金融商品や上記のようなファンドは、対象とする商品や会社の急成長を対象として高利回りの投資を勧誘するもので、様々な種類のものが存在します。が、これらの金融商品は、従来の有価証券に該当しないため、証券取引法等の従来の投資者保護の法律では、保護することができないのです。
証券取引法で保護ができないということは、投資者に十分な周知が行われないまま高額の投資をさせて利回りも元本も帰ってこないということが起こりかねないのです。
そこで証券取引法を所管する金融庁では現在新しい包括的な法律「投資サービス法」を策定中です。
従来の証券取引法はもちろんのこと保険業法やディスクロージャーなど従来縦割りになっている金融商品に関わる様々な法律を一つにまとめて、商品募集者の参入規制、投資者保護、情報公開を義務づけようという法律です。
最近は細分化されていたものが集まって大型化する傾向が多く(持ち株会社設立もひとつ)、その弊害が叫ばれることもありますが、その場しのぎで作られた法律を再編成して、体系的な考え方をきちんと作るということは大きな意義があると思います。
今年の6月に交付され来年4月から施行される「新会社法」も、そうだといえます。商法、商法特例法、有限会社法を(ほぼ)一つにまとめ、会社の商取引、運営、株式に関する法律を一つの体型としてまとめたのです。
投資サービス法は、来年中に交付される予定ですが、少しでも早い試行が望まれているのではないでしょうか。
ディスクロージャーが進めばより僕の対象とする仕事が増えるし(*^_^*)