Mac OS X Leopard, Mac Pro, X serveの発表

昨日のエントリーの通り、アメリカ東部時間8月7日からアップルの開発者向けイベント、WWDC2006の幕が上がりました。

結局とてもびっくりするほどの講演ではなかったようですが、新しく二つの製品が発表されました。他にも、予定通り新しいOSの詳細が発表されましたが、今回はうち10種類程度の新機能のプレビューにとどまる形となり、新製品二つも外観がほとんど同じだということもあってか、あまり新鮮味もありませんでした。

Mac Pro, X serve

2006-08-07-macproプロ向けデスクトップとして君臨し続けた「Power Mac G5」の後継機種として発表されました。外観はほとんど変化していないけれども、中身はかなり変わりました。今回からCPUにIntelチップが採用されました。採用されたのは、デュアルコアのIntel Xeon “Woodcrest” というやつ。Xeonプロセッサは電力を食う代わりに並列大量処理や負荷に強く、高価だけれどももっとも安定した高速CPUといわれています。Windowsでは高級なサーバー機にしか搭載されていないシロモンです。従来のPower Mac G5と比較して2倍高速になったとしているけれども、通常のWindows機と比べたらべらぼうなスピードってことです。とりあえず。基本的にMacのスペックはおかしいので(^_^;)。

このプロセッサを搭載したことで、Intel Macとして初めて64bit処理が可能となりました。今年の初め頃から登場し始めたIntel Macはみな32bit処理するものだったので、OS側で対応していてもあくまでも32bit処理だったけれども、やっとPower Macで実現された64bit処理がIntelで実現することになりました。

ちなみに今回光ディスクが2台搭載できるようになり、片方で読み込みながら片方で書き込みなんてことも可能になりました。これ、結構便利です。データの移動なんかがよくあるので、わざわざ外付けをもひとつ買い足しているので、本体に入っているのはいいですね。

2006-08-07-xserve

一方、サーバーも従来のXserve G5のコアプロセッサをIntel化したもので、最大2.2TBのハードディスクを搭載することができるようになっています。ちなみに、上でちらっと書いたデュアルコアとは、通常のCPU一つの中に二つ分の回路が詰まっているという意味で、単純な話処理速度が2倍高速なわけです。それをなんと新しいMac ProとX serveでは二つ搭載してしまったので、要はCPUが「4つも!!」入っているってことです。もちろんそれはそれだけの周りの環境とかに左右されるわけだけれども、そこから処理能力が何となく見えるのではないでしょうか?

Mac OS X 10.5 “Leopard”

ところで、OSのプレビューですが、今回は新たに搭載されることになった新しい機能のプレビューが中心となりました。

Leopardで新しく搭載される機能は、バックアップソフト「Time Machine」、同じユーザーの中でのデスクトップの表示分けを実現する「Space」、「Spotlight(検索機能)」の強化やWindowsとのデュアルブート「Boot Camp」の標準搭載、メールアプリケーション「Mail」のバージョンアップなどなどだ。

アップルが次のOSで考えている重要なコンセプトがバックアップであることが伺える。単なるバックアップにとどまらず、音楽、写真、ムービー、ドキュメントなど、Macのすべてのコンテンツを定期的に自動バックアップし、一度削除したデータを含めて、過去にさかのぼってシステムを復元することができるのです。Time Machineブラウザで、削除したファイルやなくしたファイルを探したり、同じプロジェクトの複数のバージョンをすばやく切り替えて確認したり、これまでのシステム全体のスナップショットを手に入れたりできるのです。さながらタイムマシーンに乗っているかのような画面で過去のデータを探し出すことができるというものです。

2006-08-07-timemachine

もう一つおもしろいのが「Space」だ。一つのパソコンを複数の人が共有するためにそれぞれのユーザー名で個人の設定を別々に管理するのは今や当たり前ですが、この機能はそうではなくて、一人のユーザーが複数のデスクトップを持つことができるということ。たとえばブログを作るデスクトップと、ネットを見るデスクトップ、画像を処理するデスクトップと一人の人がいろいろな作業を複数のウィンドウを立ち上げて処理するものだけれども、これをデスクトップごと分けてしまおうというのが、Spaceだ。

新しいOSの話はこれ以上はわからないので何ともいえないけれども、5年前にWindowsがWindows XPを出してから、まだ新しいOSを出せずにMicrosoftを尻目に、快進撃を続けています。

最後に本題とはずれる個人的な感想。

今回の発表はほとんどをCEOスティーブ・ジョブズがやっているけれども、新製品の説明に関しては、担当役員にさせたそうだ。以前からまれにそういうこともあったが、もしかしてもうすでに世代交代のことを考えているのではないかと思った。彼はアップルの創業者でありながら、一度首をきられまた返り咲いてから、まだそれほどたっていないし、まだ50にもなっていないけれども、説明の少しずつ分散させている点、もしかしたらと思ったのは僕だけだろうか。

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