Sun Grid Project

というものがあります。プロジェクトといっても、研究しているわけではないのですが、とてもおもしろいなと思います。
一般の人にはあまり知られていない会社ですがアメリカにサン・マイクロシステムズというIT企業があります。企業や研究者向けの大規模なサーバーソリューションの提供やJava技術の開発などを行っている会社で、IT業界ではマイクロソフトやアップルコンピュータ、インテルなどとまったく同等とされる超大会社です。
その会社が始めたこのサービスというのが、ネットワークを通じて高機能なサーバーシステム(コンピューティングリソース)を時間単位で貸出しますよというサービス。研究分野や、経営情報のデータマイニングなどの場合、ある程度の情報を基に様々に複雑な計算処理を行い結果を導き出す必要がある場合が多々あります。しかし、これらの作業には、相当に高機能なコンピューティングリソースが必要となる場合が多く、その投資額が限られているために思うようなデータを取り出せないというマイナス面があります。そこで、サンはネットワークを利用して遠隔地からデータセンター(高機能サーバーを膨大に格納している場所)にアクセスして、処理を代行するというサービスを提供し始めたのです。
数年前からグリッドコンピューティングというのがはやっています。現在はパソコン一台一台が高機能化していることに着目し、データ処理を小さな単位に分散して多くの小さなコンピューターをネットワークでつないで分散処理をすることで、少ない投資で圧倒的に高速な計算結果を導き出せるようになりました。これがグリッドコンピューティングという技術。
サンのサービスもこの技術を基本に作られていて、1時間1CPU1$で、サーバーリソースを従量制で売っているのです。大規模な処理を高速に行いたければ処理するCPUを多く購入することで、サーバー側で分散処理数を多くするので、短時間で大規模な処理が行えるというのです。さらには、これをネットワークを通して提供しているというのがおもしろいところ。
自社サーバーの性能アピールをしながらも、ちゃんと金儲けはしている。みたいな。それはともかくとしても、ネットワークを介した情報技術の無限さを感じさせられるサービスです。

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