離島の空港建設
9月の頭にダイビングをかねて石垣島に行ってきましたが、その石垣空港についてのお話。
石垣島には、市街地のはずれに暫定空港があり、そこが八重山諸島の玄関口になっています。
年間利用者数は、180万人。
しかしここに運行する便のスケジュールはなんとも奇妙なんです。
羽田からの便は、直行でいくのに、その折り返しの便は直行便はなく、宮古島行きになり宮古島から羽田空港に戻る仕組みになっています。
なぜに需要がある直行便を運行しないかというと、石垣空港は滑走路が短いんです。
現在石垣空港に飛んでいる中型ジェット機は、通常2000メートルの滑走路が必要ですが、石垣空港の滑走路は1500メートル...
1500メートルしかない場合、長い航路を経て燃料が少なくなったジェットが着陸することはできますが、燃料を満載した重い機体では、離陸することができないんだそうです。
なので、羽田からの直行便はあっても、帰りは、少しの燃料を積んで一度宮古島に降り、宮古島で満タンにして羽田まで戻るそうです。
現在の石垣空港は、ジェット化を視野に入れた暫定空港として、地元住民の了解を得ているため、これ以上拡張することができず、中型ジェットが離着陸できないと観光客の増加も見込めず、生鮮食料品の運搬も伸びることはありません。
以前から新空港建設の動きはありましたが、用地確保に難航したためなかなか進まなかったのですが、最近やっと建設用地が決まり、動き出しました。
●国土交通省のHPより?新石垣空港の設置許可の申請について
沖縄県より、9月12日(月)に、航空法第38条第2項の規定に基づく新石垣空港の設置許可の申請が行われる予定ですのでお知らせします。
施設の概要:
第三種空港 設置管理者 沖縄県
飛行場の面積 約142ha
滑走路 2,000m×45m
誘導路2,319m
エプロン約75,000?
中型ジェット用 3バース
小型ジェット用 4バース
プロペラ機用 1バース
供用開始予定期日 平成25年3月7日
ばんざーい!!
といいたいところですが...これは本当にいいことなのでしょうか。
石垣島は冬でも暖かく、ダイビングなどのマリンスポーツもできるし、観光客も途絶えることはありません。日本の中で、一年中暖かいところはこの地域だけなのです。当然、航空枠が増えれば観光客が増えます。犯罪は増加するし、このあたりは国定公園ですので、その破壊も進みかねません。
年中暑く、栽培に適した作物もあまり多くなく、農業や漁業以外のまともな産業もありません。
そんな中で、新空港ができることで雇用が発生したり、観光産業が発達することで金の周りがよくなることは予測できますが、そのことによって失われる八重山のよさは取り戻すことはできない気がします。
>新石垣空港の概要