UDフォント

UDフォントというのが開発されました。
文字サンプル
UDとはUniversal Designのこと。誰でもが使いやすい、わかりやすいデザインのことをいいます。公共施設の案内板や、電気製品の表示、電気機器そのものの形などその範囲は多岐にわたります。UDに対して非常に後れをとっていた日本も、一時期に比べかなり関心が集まるようになりました。一部の大手電気メーカーでは製品化の時点で必ずUDを検討し、すべての製品で実現しているといいます。
今年の4月頃から、東京メトロの駅構内のサインボードのデザインが一新されたのもそれのため。出口表示板は黄色、乗車系案内の背景色を濃紺駅名表示などは白地と決め、文字や矢印の配置などが大きく改善されました。濃紺表示が一番目につきますが、濃紺背景に白い文字を配置することで、文字をより大きく見えるようになったことが人間の錯覚を利用したおもしろい効果です。
東京メトロが採用したサインボートのフォントは、「新ゴシック」と呼ばれるフォントで、広く利用されているものですが、ゴシック体にしては若干細身に見える自体で、個人的にはあまり公共表示には適してないのではないかと思っていました。今回開発されたフォントは、ゴシック体の中でもかなりセリフ(文字の飾り部分)がないのに、角かカクカクした感じのフォント。
従来のフォントと違っておもしろいと思うのは、印刷用と表示用と2種類用意されているという点。数文字の単語だけで見るときと、文書の状態(文字がかたまっている)になるのとは見え方は確かに変わりますよね。日本人のフォントに対する感覚が少し変わってきた感じがしますね。読めればいいとか太ければ見やすいとか人間の眼はそんなに単純じゃないですから。
UDをフォントの面から考えたおもしろい製品だと思いました。
*イワタ
http://www.iwatafont.co.jp/

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