FONコミュニティー

スペインの企業でFONという会社がある。
業態としては、NTTやライブドアなどが展開するホットスポット(公衆無線LAN)事業と同業だ。
しかしこの企業の面白いところは、ホットスポット自体をコミュニティーにしてしまおうという試み。
普通、公衆無線LANは基地局をサービス提供会社が提供して、その利用者は対価を払ってその基地局を利用してインターネットに接続する。サービス提供会社は、ユーザーのために基地局を設置するが、その設置の際に設置場所を提供してくれた喫茶店や事業者などに場所利用料を支払っている。(ただし、このサービスを提供することによる集客も見込んでいるので場所利用料は安いと思うが。)
一方、FON社は、一般の人々スポット(基地局)を設置してもらい、その帯域幅を共有するという仕組み。
このコミュニティーは以下のような構成になっている。
1つ目はボランティア精神によって全く無料でホットスポットを設置してくれる「Linus(Linuxの開発に携わり、無料でLinuxを利用できるようにしたLinus Torvalds氏から採った名前)」。
2つ目は自分がホットスポットを設置する代わりに帯域幅使用料をFONから受け取る「Bill(MicrosoftのBill Gates氏から採った名前)」。
3つ目はFONのホットスポットネットワークを有料で利用し、自らはホットスポットを設置しない「Aliens」。
(実に名前がうまくつけられているのが面白い...)
FON社は設立から90日あまりしかたっておらず、日本では普及するのか進出するのかさえまだわからないが、社会インフラ自体をコミュニティーとしてしまう、ビジネスモデルというのは面白い。安定性や安全性がどこまで確保できるのかがわからないが、ユビキタス時代にはふさわしいサービスではないだろうか。
*FON社 プレスリリース

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