企業のブログマーケティングーSONY事件より

先日のエントリーで、企業が製品のPRをするときにブログも一つのメディアになるという話をしたが、そんな矢先そこに潜在する問題が発生していたのを知った。
SONYがiPodに対抗する目的で発売したWalkmanAという製品のPRにつかったブログが急遽閉鎖されるという事態がありました。
2005-12-01-walkman

ページそのものはすでに削除されていますが、ある検索サイトのキャッシュにまだ残っていました
もともとユーザーが製品の完成度に疑問を持っていたようなのですが、それに対する書き込みやブログの記載の仕方などが適切でなかったことが原因のようです。ちなみにこのブログは実際に一般ユーザーが試用してみてその使用感をレポートするという形式のPRサイトでした。
折しも時が悪く米SonyMusicの発売したCDの中にパソコンの中に外部からのウィルスの侵入を許してしまうソフトが入っていたことが問題になり全品回収することになっていたところで、SONYへの不満が噴出してしまっていたということもあるのでしょう。
また、もともとこの製品はiPodと競合商品でシェア65%を持つiPodを少しでも駆逐することが最大の戦略であったようで、このSONYブログに登場するユーザーがMacのPowerBookを批判するような書き込みをしていたことも反感を買ってしまう理由だったのでしょう。
さまざまな問題があって閉鎖に追い込まれたわけですが、ここから得た教訓とはなんでしょうか。
一つはユーザーの意見をきちんと受け入れる
また一つは、真実を間違いなく書き込む。
もう一つは、公式サイトであることのデメリットの対策を行う。
ことではないかと思います。
先日の自分のエントリーで書いたように8割のブログユーザーは製品に対して肯定的な意見を書き込むとされていますが、逆に2割のユーザーは批判的な意見を持っているわけです。たぶんどんないい製品だってそうなると思います。さらにこの調査結果はあくまでも自分のブログの中では製品を肯定的に取り上げているわけですが、それが製品の公式サイトとなった場合にこの数値が通用するとは思えません。
少なくとも否定的な意見を出す2割以上の大衆に対して、どう対処するべきかあまり考えていなかったのではないかとも思えます。単純にサイトのデザインですべてのコメントが表示できるようになっていることもメリットとデメリットがあります。ブログという性質上どうしても閲覧者はみるだけでなくてそのサイトを構成してしまうわけですから根本的に構成も戦略的に考えなくてはいけません。
さらに今回はやらせだという話が多く出ています。
真意はわかりません。
でも、もし本当にそうだとしたら製品のイメージを非常に落としかねません。
町中にあふれる広告は見ようと思ってみるものでないから、数を多くしないとなかなかユーザーに認知してもらえませんが、ネット上の広告や情報はある程度ユーザーに目的意識があってみていることが多いので少しの情報が強い印象を与えてしまいます。
あまり細かいことまで考えずに前回の投稿をしていたから、自分の反省も含めてブログの社会的位置を考えさせられる事件でした。

*細かい経緯はこちらのブログのリンクで

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