幼い頃の記憶

今回の停電事故で思いもかけない昔の記憶がよみがえった。

記憶っておもしろい。

僕は小さい頃から理科が大好きで、従兄弟の叔父が中学校の理科の先生だったのでよく夏休みに小学生なのに中学校の理科の実験をやらせてもらったりしてました。

そんな少年があるとき、電気の流れる速さというのはどれくらいなんだろうと思ったことがありました。

ちょっと考えれば、雷のスピードや「体に電気が走ったようだ」というコトバからそのスピードはわかりそうなもんだけれども、頭ではわかっていながらも実際はわからなかったらしい。

親に、「発電所で発電された電気はこの家まで来るのにどれくらいかかるの?」ってきいたことがあります。幼稚園くらいだったかな。それを聞いた親は「じゃあ、どれくらいかかると思う?」というので、じゃあ、今からいってみるね。と自分が思う「かかる時間」を再現してみました。

「今っから

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・・・・・・・

いまっ」

だいたい30秒くらは間があったみたい。

このときの少年の頭は適当じゃありませんよ。真剣に考えてますから。

「今発電されて、発電所を出て、送電線を通って、山を越え、谷を越え、変電所に来て、また山を越え、道路を越え、川を越え、やっと都内に入ったかな。また変電所があって、道路の横を通ってマンションに着く ・・・  いまっ」

って感じでした。まさに、電気が猫バスにでも乗ったように野山を駆け回る旅を想像していたわけです。さすがの親もびっくりして、そりゃかかりすぎだと驚いていました。その後すぐにどんなにかかっても2,3秒だと知ったわけですが。

そんな昔の話を思い出したのは、今日の停電で7時37分に出発する始発の電車に乗っていたから。停電が起きたのは出発してホームの端を過ぎてすぐだったから、停電の発生時刻、7時38分とばっちりだ。ちょうど定刻通りに発車した電車がこれからスピードを上げようとしているときに違いない。そう、だからクレーンが送電線に接触して、過電流が流れたその瞬間に、電車は給電を受けられなくなったわけだ。

電気の流れが、その「瞬間」ですべてが始まり終わっているということを20年以上前に疑問に思いながら、今頃「体験」したのでした。

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