Caran d’ Ache

先日のWireless Mighty Mouseのエントリーに書いたけれども、僕にとって入力機器(僕を主体に考えたら出力機器とでもいうのか)をとても重要視している。僕が直接繰り出すものや直接受け入れるものにだ。

ただ、そのこだわりには2面性があって実用性つまり性能や機能を重視する部分とデザインを重視する部分だ。

よく、機能とデザインは共存できないといわれる。機能性を追求したものにデザインを求めるのは無理だし、デザインを追求したものに機能を追求するのは無理だという理論だ。機能が優先されていればまだ使い道というものがあるが、デザインだけを追求して実用の面で問題が多すぎて結果的にあまり売れない商品となると、もうどうしようもない。そんなデザインだけ重視で買ってみて結局使っていないものは自分の部屋のいたる所に見える...

でも、デザインは先にデザインがあるのではない。新しいデザインを考えるにしてももともと形のあるものを崩すことから始まることは多い。それじゃあ、機能ありきのデザインはどうなるかといえばとってつけたようなものになるのは目に見えている。

それじゃあなにかといえば、そのものを使うのに本当に必要な機能のコンセプトが必要なんだと思う。機能だけ、デザインだけが独立しているものではない。通常のデザインではこの機能には2つの部分に分けられるが、こんなデザインをすれば一つのデザインで二つが実現できる。とか、機能が歴然としてあっては生まれ得ないデザインが、コンセプトという段階でおさまることで、新しいデザインが創造できる。

そうやって作られたものの、実に美しく使いやすいことか。

「機能美」という言葉を遙かに超えた使いやすさと見た目とを現実ものとすることができる。

2006-08-01-carandache

この万年筆は、Caran d’ Acheというスイスのブランドものだけれども、一目見ただけでもそのシンプルで、深いデザインに惹かれてしまったが、実際に書いてみたときにはそのなめらかさはなかなか味わえない楽しみが生まれてしまう。ペン先のなめらかさと適度な堅さ、ペン全体の重心のバランスの良さ、ほどよいキャップの重さ、そして持ち味。パソコンに出力することが多いけれども、言葉を大切にすることの根底には文字を大切にすることもあると思っているので、この万年筆で書いてみたい文字があってもいいが、文字をこの万年筆で書いてみたいと思ってしまう。

先日青山一丁目にある書斎館という万年筆点にいったときにはすっかり忘れて他のものを探してしまったが、自分に一本持っておきたい万年筆の一つだと思う。ちと高いが。ちなみにボールペンもある。

*Caran d’ Ache

http://www.carandache.com/en

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